SDGs

SDGsは2030年までに持続可能でより良い世界を目指すために、国連の全加盟国が全会一致で採択した目標のことです。貧困、気候変動、不平等などの課題を解決するために17個のゴールと169個の目標を設定しています。
2030年まで残り6年半しかありませんが、ほとんどの地域では問題が残ったままです。日本でも、ほとんどのゴールが達成できていません。日本が最も遅れている分野は、「ジェンダー平等」「気候変動対策」「海や陸の保全」などです。よりよい世界を作るために、ごみの分別や節水、環境に良い商品を買うことなど、個人レベルでできることを続けることが大切です。
LCA
ある製品が生産〜廃棄されるまでのライフサイクル全体で、環境に対して与える影響を評価する手法のことをライフサイクル・アセスメントと言います。
例えば…
「電気自動車はガソリン車と比べて環境に良い」のはなぜ?「走行時にCO2を出さないから」という回答は、実は△です。電気自動車を作るときにも、電気を作るときにもCO2は排出されるため、生産から廃棄まで全ての過程を合計して比較する必要があるのです。
このように、製品の生産から廃棄までのライフサイクル全体で環境に対する影響を評価する手法を、「LCA」といいます。

下水処理
下水(げすい)とは家から出た汚れた水(汚水/おすい)と道路の排水溝などで集められる水(雨水/うすい)を合わせた呼び方です。下水は川や海へ放流する前に下水処理場できれいにされます。汚れを取り除く際には微生物(活性汚泥/かっせいおでい)の力を利用します。活性汚泥は水中の汚れ(排泄物、有機物など)を、エサとして食べて取り除いてくれます。大きな汚れ・沈殿しやすい汚れ・微生物を取り除いた後、高度処理によってさらにきれいにした水は再生水と呼ばれます。

塩素消毒
病原微生物とは腸管系の下痢原性微生物など、水を介して伝播し、人や動物に疾病をひき起こす微生物のことを指します。例えば、ノロウイルス、病原性大腸菌、カンピロバクターなどが挙げられます。表に示すとおり、飲水による健康被害の原因物質のほとんどが病原微生物であるため、消毒が必要なのです。

塩素(Cl)を用いた消毒はいくつかある消毒法の中の一つで、長い歴史があり、藻類・細菌・ウイルスに幅広く有効なため、世界中で最も広く使われています。一方で、塩素耐性の高い病原微生物も存在するため、オゾンや紫外線を用いた、より高度な消毒を塩素消毒に加えて行う浄水場が日本ではほとんどです。
四大公害病
1950年代後半から1960年代にかけて、日本各地で重工業化が急速に進みました。これによって経済が成長した一方で、工場から排出される有害物質によって水や大気などが汚染され、住民の健康に深刻な被害を及ぼす「公害」が発生し、大きな問題となりました。
特に被害が大き かった次の四つの公害を、四大公害病といいます。

I / イタイイタイ病
1955年頃、富山県の神通川流域で、一部の住民に体中の痛みなどの症状が出ていることが報じられました。調査の結果、上流の鉱山から排出されたカドミウム(Cd)が原因物質だと判明しました。
II / 水俣病
1956年頃、熊本県の水俣湾近くで、一部の住民に歩行困難などの症状が現れました。原因物質は工場から排出されたメチル水銀でしたが、対策が遅れ、被害が拡大してしまいました。
III / 四日市ぜんそく
1960年頃から、三重県四日市市でぜんそく患者が増加しました。主な原因物質は、工場や火力発電所から排出された二酸化硫黄でした。
IV / 新潟水俣病
1965年頃、新潟県の阿賀野川流域で水俣病のような症状を示す住民が現れ、「新潟水俣病」とよばれました。原因物質はメチル水銀でした。